ワインのポイント「RP」「WS」「WA」の意味
よくワインの評価にポイントやXX点などがついていますが、
なんのことはご存知ですか?
ワインの評価は10点または100点満点の評価をつけます。
数字であらあわすことによって総合評価として
そのワインを表すことができるので便利だったりします。
ただ、点数が高いか低いかだけに
あまり囚われてほしくないというのが私の本音です。
ワインによっては少数生産や家族経営で素晴らしいワインを作っていても
そういった評論会に、余力がなくてワインを提出できなかったり、
ワインを提出しないこともあります。
なので、素晴らしいワインが点数がついてないことなんてザラにあります!
それから、このポイントも所詮、人がつけるものです。
ある程度の項目もあり、総合評価としては参考にしてもらうことはできますが、
要するに評論家の好みに左右されることが多いのです。
なので、同じワインなのに、点数が違うということがおきます。
自分が好きなワインを見つけたときは、
そのワインに高得点をつけている評論家の人の評価がよいワインが好みの場合が多いですよ!
ポイント
好きなワインに高得点をつけている評論家のポイントを重視しましょう!
RP:パーカーポイント
ワインの価値に大きな影響を及ぼすのが有名ワイン評論家のコメントや、
ワイン専門メディアの評価で、その中でも、群を抜いてその影響力が大なのが、
アメリカのワイン評論家ロバート・パーカーによる採点「パーカーポイント」=「RP」。
採点は、基礎点50点、味わい20点、香り15点、全体的な質10点、外観5点の合計100点満点です。
なので、様々な要素でバランスよく得点を獲得したワインが90点以上の優秀ワインとみなされます。
パーカーポイントで高得点を獲得すると、たとえそれが無名なワインであってもそのビンテージ以降のワインは値上がりすることでも有名です。
一時期はパーカーポイントの高得点を得るためだけに、
パーカー氏の好みのワインにワイン醸造するというブームが起きたりしました。汗。
実は、このパーカー氏はワイン愛飲者の元弁護士でした。
弁護士時代、辛口のワイン評論に支持者が増えて、ワイン評論家になった経緯があります。
彼も、すでに72歳と高齢なパーカーは、2019年5月に引退を表明し、一線を退きました。
WA:ワインアドヴォケイト誌
二大ワイン専門誌のひとつである、ワインアドヴォケイト誌=「WA」。
上記の、ロバート・パーカー氏が1978年に創刊したワイン専門誌がワインアドヴォケイト誌です。
二大ワイン専門誌はこの2つ!
ワインアドヴォケイト誌
ワインスペクテーター誌
2001年からはパーカーが一線から引退して、評価をスタッフに託し、
10名ほどがそれぞれの得意の産地をテイスティングし、評価しています。
WAのHPには誰がテイスティングしたかが記されてるので、要チェックです!
WS: ワインスペクテーター誌
ワインアドヴォケイト誌と同様に、複数のスタッフが得意な産地を担当して評価してます。
ワインスペクテーター誌=WSでは、ブラインドテイスティングで年間の「トップ100ワイン」を選んでおり、ここで選出されることもワインの価格に影響大です。
なんとナパには、ワインスペクテーター社のナパ支店があります。
それから、ワインスペクテーター誌の元副編集長であるジェームス・サックリング(JS)も、
アジアを中心に大きな信頼を寄せられる評論家です。
特にイタリアとボルドーが得意分野です。
その他の著名なメディア、評論家
AG:アントニオ・ガローニ(AG):ワインアドヴォケイト誌の元スタッフであるアントニオ・ガローニの評価。パーカー氏の右腕として有名で、現在は独立して「Vinous(ヴィノス)」という有料ワインサイトを運営しています。
ちなみに、2017年には、ワインアドヴォケイト誌の大黒柱と言われたニール・マーティンもヴィノスへ移籍しています。まるで、のれん分けのようですね!
デカンタ誌:イギリスの著名なワイン誌のひとつです。デカンタ誌は、世界で最も多くの発行部数を誇り、世界90か国以上で販売されています。
ジャンシス・ロビンソン女史:1984年に女性で初めてマスターオブワインの称号を与えられた有名なワイン評論家女性。最も信頼される評論家とも言われる彼女は、英国王室のワインセラーのアドバイザーにも就任しています。20点満点で評価。女性の活躍が嬉しいですね!
MB: マイケル・ブロードベン:テイスティングの達人として有名で、評価も影響力が強く、ワイン関係者から注目を集めています。採点方法は星の数、星5つが満点。(稀に星6つの場合も)
パーカーポイントの採点方法を説明
パーカーポイント(PPと略されることもあります)とは、世界で最も有名なワイン評論家の一人であるロバート・パーカー氏によって評価される、ワインの評価100点満点方式。
100点満点で採点するという、わかりやすい単純明快な評価基準で人気になりました。
それまでは、10点方式のワイン評価が主流でしたが、彼が独自の採点方式で評価を始めたのが始まりです。
ロバート・パーカー氏について
BY winestem|Robert Parker, the Deity of the Wine World
ワイン業界の最重要人物とも言われ、絶大な影響力をもつロバート・パーカー氏。
ナパのワイナリーで何度か見かけたり、お会いしたことがあります。
高身長な方で、やはりとっても貫禄がアリました。
何百種類ものワインを試飲されるので、どこか大きな会場で試飲されることが多いそうですが、
こうやってナパのワイナリーに足を運んで丁寧に試飲されているところを見て、関心せざるを得ませんでした。
彼は、上述の通り、アメリカ人の元弁護士でワインに携わっていたわけでなく、いち愛好家にすぎませんでした。
好きがこうじて、消費者の立場からワイン情報を提供したいと考え、1978年にワイン専門誌「ザ・ワインアドヴォケイト」を創刊。
誰も良い評価を下さなかったヴィンテージに対して、パーカー氏が一人その可能性を見抜いたことや、その公平な評価システムによって高い信頼を得たとされています。
ワイン文化の発展に貢献した人物として、フランスの最高勲章にあたるレジオン・ドヌールや、メリット勲章などを受賞しているかただそうです。
ワインアドヴォケイト誌について
ザ・ワインアドヴォケイト誌は、前述のようにロバート・パーカー氏が創刊したワイン専門誌であり、同氏が編集長を長年務めたニュースレター。(2012年にその座を退いている)
ワインアドヴォケイト誌は、一切広告を載せないことでも知られ、読者からの購読料だけが収入源となっています。(つまり第三者による介入がなく同氏の意思のみによって運営されている)
これは、本当に画期的です。どの業界もそうですが、広告主がいると公平な記事や評価ができないので、この方法で読者の信用は絶大になったと言っても過言ではないでしょう。
ただ、お付き合いっていうのもあるので、どこまで公平かは、やはり自分で飲んで自分なりの評価をすることをお勧めします!
パーカーポイントの仕組み
100点満点で採点するパーカーポイント(PP)はとってもこだわりがあります。
各銘柄は、3段階(熟成時、瓶詰め後、瓶熟成後)にわけて試飲します。その都度点数をつけているため、熟成の進み具合によっては最初の点数を変更することもあるそうです。
選ばれるワインは、ワインアドヴォケイト誌が評価に値すると判断したワインのみを採点。
その点数は0点からではなく、評価に値すると判断された時点で50点が与えられます。
残りの50点は以下のような内訳で評価されます。
色・外見:1〜5点
香り:1〜15点
味わい:1〜20点
熟成での将来性:1〜10点
またパーカーポイントは、50〜100点の間でランクが決められており、以下のようになっています。
100点~96点:格別
95点~90点:傑出
89点~80点:かろうじて並以上から優良
79点~70点:並
69点~60点:並以下
上記のうち、85点以上のワインが本当に良いワインとされています。
90点以上のワインを取り扱うワインショップが多いです。
パーカーポイントはワインの価格を上昇させる!?
絶大な影響力を誇ることで知られるパーカーポイント(PP)は、超高得点の点数がついたワインは価格が上昇します。
例えば5大シャトーの一角として知られるシャトー・ラトゥール。
パーカーポイントが「92点」だった2007年ヴィンテージの全世界の平均価格は約57,000円。
それに対し、パーカーポイントで「100満点」をつけた2009年ヴィンテージでは、平均価格が約180,000円(※)。
たった2年違いの同じワインにも関わらず、なんと3倍もの開きがあるのです。
なので、パーカーポイント100点を獲得したワインは、投資の対象にする方が数多いです!!
実は「日本酒版パーカーポイント」もある
日本酒にもパーカーポイントが導入されています。
2016年から始まった制度で、テイスティングはロバート・パーカー氏ではなく、ザ・ワインアドヴォケイト誌の評論家のなかでも、特に日本酒に造詣が深いとされるマーティン・ハオ氏だそうです。